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だから生物学はおもしろい(襟鞭毛虫から人間をみる)

最近書いてなかったような気がするので授業関連の話。
2年生になって、いろいろ、
「今勉強していること」「勉強したいと思っていたこと」「将来」「なりたかった職業のこと」
など、もやもや考えています。
なんで生物学やってるんだっけ?とたまに疑問になるときがあります。
就職に強いわけでもないし、何かの知識に特化しているわけじゃないし、特別好きな生き物と言われてもぼんやりしているし。

そんな中で、今学期ある先生に出会って、「ああそうだ、だから生物学はおもしろいんだった!」
と思い出させてもらえるような授業と実験がありました。


「どうぶつけいとうぶんるいがく」という、簡単に言うと動物を仲間分けしていく学問なんですが、
この授業がとにかくたのしくて。
一言で言い表せないので長くなりそうですが気になる方は読んであげてください。笑

とりあえずこの前印象に残った話を紹介します。
上手くまとめられるか心配だなあ・・・^^;

【襟鞭毛虫のおはなし】
動物系統分類学は、進化の流れに沿って、”動物”を仲間分けする学問です。
進化の流れに沿って生き物を見てくると必ず出てくる問題。
それは「何が進化して動物になったの?」ということ。
あんまり詳しく説明すると書ききれないのですが、「動物」の定義って案外難しい。
動くもの?→植物にだって自分で動ける仲間がいるし。その他、一言では「動物」って言い表せないのです。実は。

しかも原生生物っていう動物みたいに動くしごはん食べるし子孫も残すけど「(真の)動物」ではない、とされてるやつらがいるのです。
顕微鏡で見るとそこらへんの水たまりにふつーに暮らしてます。でも動物じゃない。

真の動物=後生動物には、海綿みたいなふにゃふにゃした奴らから我々ヒトまで含まれています。
正直私には原生のやつらのほうが海綿よりよっぽど動物らしいのですが・・・笑

で。「何が進化して動物=真の動物=後生動物」になったのか?という問いに戻ります。
昔のえらいヒトがたくさんの説を出しました。
そのなかのひとつが「鞭毛虫起源説」。
鞭毛虫という、単細胞生物で鞭毛がぴょろんと伸びている生き物がいるんですが
それがいろいろと(かなり割愛)進化を遂げて後生動物になっちゃんじゃない?ということです。
なんでこの生き物が起源なのか?というと、後生動物の発生段階(受精卵~卵割~胚になって・・・という流れ)の中に
この鞭毛虫の群体(個体がいっぱいあつまって1つのいきものみたいに生活していること)と非常に似ている段階があったからなんです。
もちろん似てるからって証拠にはならないからたくさん批判も出たのですが、、、
最終的に(かなり割愛してます)、遺伝子の塩基配列(DNAの部品)の比較解析を行ったところ、
鞭毛虫が起源ってことで落ち着いたわけです。
この遺伝子の比較解析で分かるのは「パターン」であって「プロセス」ではないので
だったらどうやって進化したの?という具体的なメカニズムはわかりません。わかったらノーベル賞だよ!笑

おもしろいのはまだまだこれからです。
とりあえず後生動物の起源は鞭毛虫らしい、という結論は出たんですが
後生動物と鞭毛虫の間にいろいろな共通点が見つかってきたんです。

この鞭毛虫のなかに洋服の襟のような構造を持っている仲間がいます。
それを見ていると、我々の人間を含む後生動物の何かと非常に似ている。なにかというと、「精子」です。
鞭毛虫の多くはしっぽのような鞭毛が生えている方向に進むのですが、
この襟鞭毛虫は精子と同じように頭(細胞体部分)の方向に進みます。
つまり恰好だけでなく運動の方向性も一致する!わお!

さらに、後生動物の海綿動物(海綿とか)や棘皮動物(ヒトデとかウニ)は襟鞭毛虫にそっくりな細胞「襟細胞」を持っているんです。
まるで襟鞭毛虫がそのまま海綿のなかに組み込まれてるように見える!
うおおお(書いてるだけで興奮してくるー!)

そしてそして、一番ぞわぞわしたのは先生が放ったこの一言。
「つまり我々は生殖細胞の乗り物なんじゃないか」
うおおおおおおー!

説明します。襟鞭毛虫の生活環(どんなふうに子孫を残していくかのサイクル)を見てみると
普段は核相nで生活してるんです。
核相ってなんぞ、と思われた方に説明しようとしたけどいい説明が見つかりません・・・
とりあえず人間だと核相は精子がn、卵がnで合体して受精卵からはずっと2nです。

で、核相n、つまり精子みたいな状態で生活している襟鞭毛虫は
環境変化などで「やべえ生きてくのちょっとつらいわー」となると
他の襟鞭毛虫と合体して接合子つまり核相2nになるんです!ふたりで合体したほうがちょっと強いんですかね?(曖昧)
そして減数分裂していつも通り核相nの個体をつくる。

と、いうことは、もしも人間の体を襟鞭毛虫で言い換えるとすると
「精子の状態がいつもの姿」で
「核相2n=人間にとってのいつもの姿は、精子を守るための仮の姿」ということになる!!!!

だから先生は「つまり我々の体は生殖細胞の乗り物なんじゃないか」、
「私たちにとっての”カラダ”は、本当は生殖細胞を守っておくためのカラなのかも・・・?」
と仰ったわけですね!

嗚呼、心がざわざわするー!

おもしろい、生物学。

この文章を読んでどれだけの人がわくわくしてくれるかは全くわからないし
もしかしたらよくわかんないかもしれないけれど
とにかく生物学を勉強している面白さ、ってこういうところにあるよなーと思いました。
ま、精子の話なので精子を持っていない女性についてはどうなのよ、と言われたら、ねえ。やぼですよ!笑

わたしたちが喜んだり怒ったり悲しんだ楽しんだりしているこの感情も
手をつないだりちゅーしたりしてるのも
全部ぜんぶ、カラであるカラダによる活動だったら・・・なんて考え始めると
もうわくわくというかぞくぞくというか、宇宙の広さを考えた時みたいな、台風の夜みたいな気持ちになる!

むなしくなっちゃうひともいるのかな。
でも先生も言ってたけど、なーんかわたしのもやもやや悩みなんて、
「カラであるワタシ」の悩みなんて、どーでもいいものに思えてしまうわけです。
どうせまた悩み始めるんだけどさ。結局は。でも、でも。ね。

いつも当然だと思っていることが
違う生き物の生活や生き様を知るたびに「じつは人間ってヘンテコで、奇特で、且つ、思っている以上に精密で、いろんな仕組みによって生かされている動物なんだなー」と思います。


この学問をやって、何に役立つか役立てるかの自分の答えはまだ出ていないけれど
とりあえずいろいろと知る中でいっぱい感じて、考えていきたいなあと思い直すことのできた、
知識や考え方との出会いでした。
やはた先生ほんとにありがとうございます。じっけんも最高におもしろいんですよこの先生の!笑
こんど実験の話も書きますね。


ここまで読んで下さった方、もしいらっしゃいましたら、ほんとにほんとにありがとうございます!
おつかれさまです!


※20140214追記
この話を先生ご本人に読まれていたことを知り恥ずかし死にしそうなので
とりあえずせんせいのお名前部分だけカットしました(笑)せんせいすみませんでした~
記憶抹消してくださることを信じています。←

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